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CNC加工の品質管理:公差・表面仕上げ・形状精度の検証方法

目次
Why Quality Control Is Critical in CNC Machining
Dimensional Tolerances: Verifying Accuracy to Microns
Common Tolerance Standards
Dimensional Inspection Tools
Surface Finish: Measuring Quality Beyond Dimensions
Surface Finish Standards
Surface Inspection Methods
Geometric Accuracy: Ensuring Form and Orientation Integrity
Common Geometric Tolerances
Geometric Inspection Tools
Material and Traceability Verification
In-Process vs Final Inspection
Conclusion
FAQs:

高精度はCNC加工の基盤であり、特に航空宇宙、自動車、医療機器、電子機器といった産業では不可欠です。しかし、複雑な部品を「作れる」ことだけが重要なのではなく、厳格な品質管理によって、すべての部品が仕様どおりであることを保証することも同じくらい重要です。

本ブログでは、CNC加工における品質管理の仕組みを、「寸法公差」「表面粗さ」「形状・幾何学的精度」という3つの観点から解説します。また、業界規格、検査機器、そしてNewayのようなメーカーが、カスタム部品をどのようにしてお客様の要求水準以上に仕上げているのかについても紹介します。

Why Quality Control Is Critical in CNC Machining

CNC加工部品におけるわずかな誤差であっても、機能不良、組立不良、さらには安全リスクにつながる可能性があります。精密な公差、安定した表面仕上げ、幾何公差の遵守は、次の点を確保するために欠かせません。

  • 嵌合部品とのスムーズな組立

  • 一貫した製品性能と安全性

  • ISO 2768、ASME Y14.5、DIN ISO 286といった業界規格への適合

  • 手直しや保証対応(クレーム)の削減

  • 航空宇宙・医療など規制産業における認証取得

NewayのCNC加工サービスでは、原材料のトレーサビリティから最終検査に至るまで、すべての部品が体系化された品質管理プロセスを通過します。ご要望に応じて、精密CNC加工に加え、CMM測定や初品検査レポート(FAI)などの完全な検査報告書もご提供可能です。

Dimensional Tolerances: Verifying Accuracy to Microns

公差とは、指定寸法から許容されるばらつきの範囲を定義したものです。特にクリアランスが小さい嵌合部や圧入部がある組立品では、適切な公差設定がフィット感・機能性・互換性を左右します。

Common Tolerance Standards

  • ISO 2768-m / ISO 2768-f:一般的な機械加工向け規格。寸法に応じて、おおよそ±0.10 mm~±0.05 mm程度の標準公差を規定

  • ASME Y14.5:形状・姿勢・位置などを規定するGD&T(幾何公差)を定義

  • DIN ISO 286:軸と穴のはめあい公差(H7/g6など)を体系化

  • 高精度用途向けには、±0.01 mmレベルのカスタム公差にも対応

Dimensional Inspection Tools

  • デジタルノギス・マイクロメータ:外径・内径・段差・深さなどを±0.01 mm精度で測定

  • ハイトゲージ:基準面(ダトム)からの高さや段差を検証

  • CMM(三次元測定機):プログラムされたプローブ経路により、±0.002 mmクラスの高精度測定が可能

  • 光学式投影機(プロファイルプロジェクタ):2D形状を拡大投影し、図面との比較を実施

  • Go/No-Goゲージ:穴径、シャフト径、ねじなどの合否判定を迅速に実施

Newayでは、温度管理された検査室でZeissおよびHexagon製CMMを使用し、特に航空宇宙・医療機器向け部品の厳しい公差を検証しています。

Surface Finish: Measuring Quality Beyond Dimensions

表面粗さは、見た目だけでなく、シール性、摺動部の接触状態、疲労寿命など、機械的性能にも大きな影響を与えます。粗かったり不均一な表面は、漏れ・高摩擦・早期摩耗を引き起こす原因となる場合があります。

Surface Finish Standards

表面粗さは一般的にRa(算術平均粗さ)で評価され、平均的な凹凸の大きさをμmまたはμinchで定量化します。

代表的なRa値の目安:

  • Ra 6.3 µm:標準的な「加工のまま」仕上げ

  • Ra 3.2 µm:一般的な機能部品として広く採用される仕上げ

  • Ra 1.6 µm:嵌合部品や中精度アセンブリに適した仕上げ

  • Ra 0.8 µm以下:シール面、医療部品、高性能部品などに要求される高品位仕上げ

Surface Inspection Methods

  • 接触式プロフィロメータ:ダイヤモンド針で一定距離をトレースし、表面プロファイルを測定

  • 光学式プロフィロメータ:レーザや干渉計を用いた非接触測定で、微細な表面テクスチャも解析可能

  • 目視検査(10倍ルーペなど):外観品質や化粧仕上げの確認

  • 表面粗さ比較板:現場での簡易判定に用いるリファレンスプレート

Newayでは、高速エンドミル加工や電解研磨、微細な研掃処理などを組み合わせることで、Ra 0.4 µmクラスの仕上げも実現可能です。また、外観や耐食性を高めるためのアルマイト処理粉体塗装、ヘアライン・ブラッシングなどの化粧仕上げにも対応しています。

Geometric Accuracy: Ensuring Form and Orientation Integrity

幾何公差は、各形状が空間的にどのような関係にあるべきかを定義するものです。単なる線寸法とは異なり、平面度、真直度、平行度、位置度など、3次元的な形状精度を管理します。ハウジング、ピストン、ローターなどの複雑な部品・アセンブリでは特に重要です。

Common Geometric Tolerances

ASME Y14.5やISO 1101で定義されるGD&T記号を用いて指定します。

  • 平面度:理想平面からの最大偏差を制限(例:100 mm範囲で≤0.03 mmなど)

  • 平行度:2つの面や軸がどれだけ均一に平行であるかを管理

  • 直角度:嵌合に重要な90°を高精度に保証

  • 真円度・円筒度:円筒面の丸さ・真直度を管理

  • 位置度(True Position):理論的な中心位置からの許容偏差を規定

Geometric Inspection Tools

  • 三次元測定機によるプロービングおよび点群解析

  • ダイヤルゲージと定盤による平面度・平行度・直角度の確認

  • 真円度測定機・振れ測定ゲージ

  • 光学式三次元測定システムによる複雑形状の全体評価

例えば、重要な航空宇宙用ブッシュでは、フランジ基準面に対して位置度0.02 mm、直角度0.01 mmといった要求が設定されることがあります。この場合、3D CMMでの測定に加え、専用治具によるアライメント検証を行うことで、厳密な幾何精度を保証します。

Material and Traceability Verification

寸法が図面どおりであっても、材料が仕様どおりでなければ、部品の信頼性は確保できません。トレーサビリティは、正しい材料が使用されているか、規格に適合しているか、適切に記録されているかを保証します。

主な確認項目:

  • EN 10204 3.1に準拠したミルシート(MTR:材質証明書)の取得

  • 重要合金に対するPMI(ポジティブ材料識別)

  • シリアル管理や規制部品向けのヒートロット(溶解番号)トレース

  • ASTM E18またはISO 6508に準拠した硬さ試験

  • RoHS、REACH、FDAなど、必要に応じた環境・安全規制への適合証明

Newayは、エネルギー・医療・航空宇宙などの規制産業向けに、ワンストップサービスの一環として、材料・検査に関する完全なドキュメントを提供しています。

In-Process vs Final Inspection

効果的な品質管理は、一度きりの検査ではありません。製造の各段階に組み込むことで、不良の早期発見、再加工の最小化、安定した品質の維持を実現します。

  • 工程内検査:荒加工、穴あけなどの重要工程後に実施し、次工程への影響を最小化

  • 工具寿命・オフセット監視:工具摩耗による寸法ドリフトを防止

  • SPC(統計的工程管理):量産時のばらつきトレンドを監視し、異常を早期検知

  • 最終検査:CMMによる全数またはサンプル測定、表面検査、寸法検査レポートの作成

NewayはISO 9001に準拠した品質マネジメントシステムを運用しており、航空宇宙グレード案件については、要求に応じてAS9102に基づくFAI(初品検査報告)にも対応しています。

Conclusion

CNC加工における品質管理は、「公差」「表面粗さ」「幾何精度」の3本柱から成り立ちます。校正された検査機器、国際規格、厳格なドキュメントを組み合わせることで、各部品が設計されたとおりの機能を発揮し、最終アセンブリに完璧にフィットすることを保証できます。

Newayでは、高度な検査技術、経験豊富な品質エンジニア、そしてトレーサブルなプロセス管理を組み合わせ、お客様のCNC加工部品の性能を確実に保証します。試作段階から量産立ち上げまで、「最初から正しい」品質をお届けすることをお約束します。

FAQs:

  1. CNC加工部品の標準公差はどの程度ですか?

  2. 表面粗さはどのように測定・指定されますか?

  3. 厳しい公差を検証するために使用される検査機器には何がありますか?

  4. 複雑なCNC加工部品の幾何精度は、どのように管理されていますか?

  5. Newayは、CMM検査レポートやFAI(初品検査)ドキュメントを提供できますか?

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