TC4(Ti-6Al-4V)チタンの初期加工テストでは、工具の即時破損を防ぎ、工具摩耗に関する有益なデータを収集し、表面品質を維持するために、慎重かつ体系的なアプローチが不可欠です。開始時の切削速度は低~中程度の範囲に設定し、まずは他のパラメータの最適化に重点を置くことが重要です。
標準的な無コートまたはPVDコート超硬工具を使用する場合、慎重な開始点は50〜70 SFM(15〜21 m/min)です。
荒加工の場合: 範囲の下限である50〜60 SFM(15〜18 m/min)から開始します。この段階では、工具寿命と加工安定性を優先しつつ材料を除去することが目的です。荒加工は高い除去率により大きな熱と切削力を発生させるためです。
仕上げ加工の場合: やや高めの60〜70 SFM(18〜21 m/min)から慎重に開始できます。切込みが浅いため、発熱と負荷が低減され、より良い表面仕上げを得るために若干高い速度を使用できます。
切削速度はあくまで変数のひとつであり、成功するテストにはバランスの取れたパラメータ設定が不可欠です。
1刃あたりの送り量(fz): 一定でポジティブなチップ負荷を維持します。直径1/2インチ(12mm)の工具の場合、0.08〜0.12 mm/刃(0.003〜0.005インチ/刃)から開始します。送りが低すぎると擦り加工となり加工硬化を引き起こし、逆に高すぎると応力が増大し、排出しにくい厚い切りくずを生成します。
軸方向切込み深さ(ap): 工具への圧力に与える影響が小さいため、比較的積極的に設定できます。溝加工では工具径全体を使用し、ショルダーミリングでは工具径の1.5倍を目安に開始します。
径方向切込み(ae): 熱および負荷を制御する重要パラメータです。工具径の20〜30%の軽い径方向食い込みから開始します。これにより工具が空気やクーラント中にいる時間が長くなり、熱蓄積を防止します。
初期テストはあくまで基準点です。数分間の加工後に工具摩耗を観察し、切りくずを確認します。工具に急速な摩耗が見られず、切りくずが銀色または淡い金色であれば、体系的な最適化を開始できます。その他の条件を固定したまま、切削速度を5〜10 SFM(1.5〜3 m/min)ずつ段階的に増やし、各ステップごとに工具摩耗を慎重に観察します。目的は、急速な摩耗が起こる前に経済的な工具寿命を保てる最大速度を見つけることです。この経験的テストは、新しい部品のためのチタンCNC加工サービス開発の重要なプロセスです。
この初期速度範囲は、剛性の高いツールホルダー、機械構造、効果的な高圧クーラントが前提となっています。これらの条件が満たされない場合は、さらに低い速度から開始する必要があります。また、特定の工具形状や高性能コーティング(例:AlTiN)を使用する場合は、やや高めの開始も可能ですが、初期試験では常に保守的な設定が最も安全です。こうしたパラメータ間の相互作用を理解して成功を導くためには、精密加工サービスの専門知識が非常に重要です。