迅速な見積もりを行うためには、まずプラスチックを加工性の特徴に基づいてグループ化することから始めます。すなわち、「硬質系(例:アクリル、PC)」「半結晶系(例:ナイロン、POM)」「柔軟・研磨性系(例:PTFE、UHMW)」の3カテゴリです。基本原則は、熱を管理し、溶融・ガム化・応力割れを防ぐことです。Newayでは、プラスチックCNC加工において、基準値設定と微調整を組み合わせたアプローチで効率的に最適条件へと導きます。
1. 硬質/非晶質プラスチック(アクリル、ポリカーボネート、ABS、PS) これらの材料は脆く、欠けやひび割れを起こしやすい特性があります。
• 回転数(RPM): 中~高回転(例:6mm工具で10,000〜15,000rpm)から開始します。
• 送り速度: 中~高送りを使用して、摩擦による熱の蓄積を防止します。
• 切込み深さ: 応力を抑えるため軽〜中程度の切込みが推奨されます。
• 工具: 鋭い刃先と高ポジティブレーキ角を持つ2〜3枚刃の工具が理想的です。当社のCNCフライス加工サービスでは、これらの材料向けの専用工具を使用しています。
2. 半結晶系/エンジニアリングプラスチック(ナイロン、POM/アセタール、PEEK) これらの材料は強靭ですが、過熱するとガム化や溶融を起こす可能性があります。
• 回転数(RPM): 中回転(例:6mm工具で8,000〜12,000rpm)。低速のほうが熱管理しやすいです。
• 送り速度: 一定で中程度の送りを維持。停止(ドウェル)は避けます。
• 切込み深さ: 非晶質プラスチックよりもやや積極的な加工が可能です。
• 工具: 研磨された2〜3枚刃のフルートを持つ鋭利な工具を使用し、素材の付着を防ぎます。
3. 柔軟/研磨性プラスチック(PTFE、UHMW、ポリプロピレン) このタイプでは表面仕上げの粗さや材料変形が課題になります。
• 回転数(RPM): 高回転(例:6mm工具で15,000rpm以上)でクリーンなせん断を実現します。
• 送り速度: 高送りで変形と熱蓄積を抑えます。
• 切込み深さ: 部品の動きを防ぐため浅い切込みが好ましいです。
• 工具: 鋭利な刃先、高レーキ角、大きな逃げ角を持つ工具が必須です。
• 「切りくず」が最良の指標: 連続したきれいな切りくずが理想です。粉状の切りくずは高速すぎまたは浅切削による過熱を示し、長く糸状の切りくずは送り不足を意味します。
• クーラント vs 圧縮空気: 多くのプラスチックでは圧縮空気で切りくずを除去し、冷却を行うのが理想です。液体クーラントはPEEKなど一部のエンジニアリングプラスチックで使用可能ですが、ナイロンのような吸湿性素材には不向きです。
• 固定(治具)は重要: 歪みを防ぐために、低応力かつ安定した固定を使用します。特にCNC試作加工では部品形状が繊細な場合が多いため重要です。
材料グループ | 回転数 | 送り | 主な注意点 硬質(PC、アクリル) | 中〜高 | 中〜高 | 欠け防止 半結晶(POM、ナイロン) | 中 | 中 | ガム化防止 柔軟(PTFE、UHMW) | 高 | 高 | 鋭利な工具を使用 エンジニアリング(PEEK) | 中 | 中 | 空冷またはクーラントで熱管理
最も迅速な方法は、同じグループの既知のプラスチックのパラメータから始め、切りくずの状態と表面仕上げを見ながら調整することです。例えば、ナイロンを加工する場合、まずアセタール(POM)の設定から開始します。常に鋭い工具と十分な切りくず排出を優先してください。複雑なプロジェクトでは、当社のワンストップサービスを活用することで、最初から専門的にパラメータを最適化し、最終仕上げとしてプラスチックCNC部品の表面処理を統合することが可能です。