製造および材料工学の観点から見ると、ナイロンSLS部品の本質的な多孔性は、染色に非常に適しています。非多孔性の表面層を持つ射出成形ナイロンとは異なり、選択的レーザー焼結(SLS)によって製造された部品は、液体染料が表面に浸透して吸収される微細な多孔構造を持っています。このプロセスは単なる表面コーティングではなく、深部までの染料含浸であり、傷や摩耗に強い色を実現します。
SLS部品の染色は、通常、繊維染色に似た熱水分散染料を使用して行われます。このプロセスでは、清浄化・脱脂したナイロン部品を、材料のガラス転移温度(通常70〜95℃)未満に加熱した染料浴に浸漬します。熱によって微細孔内のポリマーチェーンが開き、染料分子が部品内部へ拡散します。十分な浸漬時間の後、部品をすすぎ、冷却して染料をマトリックス内に固定します。これにより、部品の全体厚さにわたって均一な色が得られ、消費財や自動化装置など、表面摩耗が発生する用途に理想的です。
SLSナイロンの染色で得られる色の範囲は非常に広いですが、いくつかの技術的な制約があります。
ベース材料: バージンSLSナイロン(PA12)は自然な明るい白色であり、染色のための理想的な中立ベースを提供します。これにより、最も鮮やかで正確な色再現が可能になります。部品は黒、濃青、赤、緑、黄など、ほぼあらゆる色に染めることができます。
固有の制限: 濃い色から明るい色への染色は非常に困難です。非常に明るいパステルカラーや純白を得ることは染色では不可能であり、これらは粉体塗装または塗装によって実現する必要があります。さらに、最終的な色調は部品の表面粗さに影響されます。標準的なSLS仕上げでは、サンドブラストやその他の平滑化処理された表面と比較して、ややマットな色合いになります。
耐光性: 染料は深く吸収されますが、マス着色ポリマーのようにナイロンと分子的に結合しているわけではありません。染色された部品は一般的に優れたUV耐性と耐摩耗性を示しますが、長期間の直射日光や化学薬品への曝露により徐々に色あせる可能性があります。重要な用途では、実際の使用条件下での試験を推奨します。
後処理との統合: 染色は通常、バレル研磨・バリ取りなどの後処理による洗浄・平滑化の後に行われますが、シーリングや防水処理の前に実施されます。
材料と染料の適合性: このプロセスはポリアミド系材料に特化しており、TPUなど他の一般的なSLS材料や、FDMやSLAなど他の製造プロセスで作られた部品には、特定の対応材料がない限り効果がありません。
代替着色方法:
まとめると、染色は3DプリントされたSLSナイロン部品を着色するための非常に効果的で耐久性のある方法であり、部品構造に一体化された広範な色のパレットを提供します。これは、機能的な白いナイロン試作品や最終製品をブランド化された美しい部品へと変えるための重要な仕上げオプションです。